Forest Conservation in Mligi Village, Pacet, Mojokerto With Tunas Hijau
Yusuke Koizumi – Japan
今週は月曜の夕方から金曜までPacetと いうところに滞在していた。そこは携帯電話もあまり繋がらない山の中にある小さな村で、私たちは村の生活や環境を観察したり、近くの山に登ってそこで一夜 を明かしたりと、インドネシアの農村風景を堪能することができた。気温もちょうど良い。もちろん現地の学校を訪れて子供たちに出会い、環境教育についても いろいろと聞くことができた。都会をワセワセと行き来していたこの一ヶ月、つかの間の休息でもあった。
午後4時にスラバヤを発った。渋滞に巻き込まれつつ3時間かけて着いた時にはもう、辺りはすでに暗闇に包まれていた。村の一角にTunas Hijauのオフィスがあるのだが、オフィスといっても簡素な平屋で、10畳ほどの広間と二つの小さな部屋があるだけのベースキャンプのようなものだった。ここに週末までお世話になるのだ。初日はそのまま就寝し、次の日は朝から近くのプールに連れて行ってもらった。50×20メートルほどの巨大なプールの水はすべて山から流れてくる水を使っているそうで、深さも3メートルほどあった。都会と比べてやはり、空気と水がとても澄んでいる。午後はゆったりとした村の時間にまかせて、地元の人と散歩をした。
3日目は私とジェームズ、新しく加わったオランダ人のリアンナと地元の方々4人の全部で7人のパーティーを組み、近くの山へ一泊二日のキャンプに出かけた。山道は草に覆われ、曲がりくねって、とても急な斜面だった。15分ほど歩いて10分ほど休憩するというのを繰り返し、3時間かけて登頂したときには皆倒れこんだ。午後6時を回っていた。すでに真っ暗で、火を起こして食事を済ましたあとで少しの談話をはさみ、翌朝5時に起きて朝日を見るために、テントを建ててすぐに寝た。
次の日、早朝は薄霧がかかっていたが快晴で、すばらしい来光を拝めた。朝食を済ませ、再び3時間かけて山を降りた。その日は疲れていて、オフィスに帰って 来てほとんど寝ていたが、夕方になって近くの家で搾乳を体験させてもらえるとのことで、出かけてみた。牛は二頭おり、ほどよく肥えていた。インターン3人 も村の人に教わり挑戦してみたが、まったくうまくいかなかった。その後で、牛糞を使ったバイオガス発生装置を見学した。仕組みは、牛糞を集めてタンクに貯 蔵し、そこから出るメタンガスをプラスチックのパイプを通して家まで引っ張るというものだった。プロパンガスを、急な坂を降りたところにある市場まで買い に行かなければならないため、重宝しているとのこと。
最終日は村にある二つの小学校を訪れた。子供たちは都会の子に負けず元気で、私たちが到着すると、もの珍しそうに近寄ってきたり、遠くから眺めていたりし た。学校は両校とも清潔でゴミなど落ちておらず、近くを流れる側溝の水も都会では考えられないほど澄んでいた。都会の子供と田舎の子。どちらもお互いの暮 らしを知らないのだろう。いつか両者が出会い、それぞれの良いところを見つけあうことができれば、都会の環境も少しは改善するのではないか。
今回はいつものルーティンワークから抜け出し、とても刺激的な時間を過ごすことができた。この貴重な体験を、都会の子供たちに少しでも伝えられることがで きればと思う。こっちに来て一ヶ月ほどが過ぎたが、このエコツアーを通じて、ようやくインドネシアの外枠をつかめたような気がした。